今橋理子/著 東京大学出版会 ハードカバー 372p 21.7×15.5cm 2004年
状態:カバーの背にごく軽いやけがあります。
日本文化と動物との関わり、描かれたモチーフの意味、文学との関係など、江戸時代の動物絵画を考察した論文集です。
目次
第1章 日本人と動物芸術―「はじめに」に代えて
1 「かわいい、りりしい、たのもしい」―動物画と動物写真
2 江戸時代動物画の範疇
3 江戸の<動物画>思考―本書の構成
第2章 <月の兎>の図像と象徴
1 現代に棲む<ウサギ>たち
2 <月の兎>という言説
3 連想イメージとしての「月」と「兎」
4 「玉兎」の造形とフォークロア
5 烏と兎―「日月」の聖性図像
6 御仏の光臨―葛蛇玉筆「雪夜松兎梅鴉図屏風」
第3章 虫たちの在り処―擬人化の詩学
1 虫けら曼荼羅の宇宙
2 江戸の虫画
3 <虫づくし>の詩的機能
4 俳文と<虫づくし>
5 写生と擬人
6 <虫けら>という我が身
第4章 <眠れる猪>という祝福―動物写生画・森派とことば
1 森一鳳筆「猪図」
2 森派と「写生」
3 「臥猪」と「ふすゐ」
第5章 仔犬と髑髏―長澤蘆雪画をめぐる<ことば遊び>とフォークロア
1 長澤蘆雪筆「幽霊・仔犬に髑髏・白蔵主図」の謎
2 <幽霊画>の言説、そして応挙―中幅「幽霊図」の背景
3 化け狐の正体―左幅「白蔵主」の変化
4 美人と髑髏の物語―右幅「仔犬に髑髏」の隠喩
5 「艶色を戒むる」―諷喩の形象としての三幅対
6 女と犬のフォークロア―中幅と右幅との民俗学的関係
7 <聖と俗>の犬―三幅対とことば遊び
あとがき
初出一覧 参考文献 掲載図版一覧 人名索引 作品・事項索引