藤井孫兵衛/版 木版多色摺 24.3×30.2cm 明治36(1903)年
状態:元々は折本として仕立てられていたらしく、中折れ跡があります。また、背面縁と中央上下に裏打ち補修があります。
『綾にしき人物部』より山田双竹の木版画です。復古大和絵の画家として知られる浮田一ケイの絵を模写したもの。
明治20年代から大正初期にかけて販売されていた大阪の書肆青木嵩山堂の木版美術画譜シリーズを(のち、芸艸堂が刊行)、京都の書肆である藤井五車楼が「綾にしき」として刊行していたもの。もともとは個別の木版画をテーマごとに構成し、折本や倭綴じして販売したシリーズで、京都の若手絵師が中心となって制作されています。「綾にしき」は人物部、山水部、花鳥部が制作されましたが、販売品は古代から近代までの日本の風俗を描く木版画をまとめた明治36年刊の『綾にしき 人物部』で、入荷品が図版不揃いのため個別の木版画作品としての販売です。