高橋詠而/編 三得会/版 和装 木版墨摺 横半紙本 上:26丁 中:25丁 下:26丁 各15×21.7cm 明治32(1899)年
状態:表紙に少しかすれ、細かい傷、題簽に蔵印があります。内部は大きな汚れ、虫損などはなく、良好です。
上中下巻それぞれ初めの5丁に大きな図を、その後に古今の文様を半丁6種ずつ並べた模様・文様集。工芸品をはじめとしたデザインに応用できる雛形本にもなっていて、正面摺が多用されているのが一番の特徴です。序文には「本書は画家の巨擘なる菱川師宣、光琳、宗達、抱一、北斎、一蝶、又平、文晃、容斎、是真、元信、及各大家の妙案を集め之を品物の応用に当嵌め専ら実業の侶伴に供ぜんとして編輯したるものなれば」とありながら、実はこれら各冊の口絵は諸大家の絵ではなくて、先行する江戸時代の絵本(『欄間図式』や『一蝶画譜』など)にあった絵をそのまま縮写再刻し、諸大家の名前を付け加えたものという、何とも不思議な本。