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天保11年の夏祭？

昨日入荷した1冊、『当流百番大歓小謡童子宝鑑』という本、『国書総目録』（古典籍総合データベース）には該当書籍がありませんでした。『当流百番大観小謡童子宝鑑』（正徳2年）という本がありますので、おそらく同じ本かと思われます。入荷品には改装されて奥付もなく、かなりのつかれがあります。特にはじめの2丁には左下に欠損があります。

これは観世流百番より小謡をまとめたもので、上部には頭書として子弟むきの様々なことが書かれているので、実用書であり教育書でもあり、往来物の範疇に入るものでしょうか。ちなみに頭書には「のうぶたいの図」「四座の名の事」「のうの道具つくし」「同めんの図」「かたかないろは」「同歌つくし」「十かん十二支の事」「七夕うたつくし」「九々の数の事」「へんつくし」「かふりつくし」が掲載されています。

しかしこの本の真の価値（あくまで店主の個人的な意見です）は、後半の余白にありました。

突然目つきの悪い男たちが登場。

どうやら天保11年6月21日に書いたもののようです。

「いとけなきひとにみせはやいろはうた」
あいからわず目つきは悪いです。特に真ん中の男。

お神輿を担いでいるようです。どうやら夏祭りの風景を描いたもののよう。それでちょっとゴロツキ風の人相の人が多いのでしょうか？