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『藝術資料』編集後記 第1期第1-3冊

第1期第1冊「櫻」 昭和11年3月

『藝術資料』第一冊を愈々お手許にお送りする運びとなりました。計画は随分早くから立てていながら、忙しい職務にあった為実行に着手出来ず、機が熟して決行となりましたら、俄かに時間が切迫して、御覧の通りのものとなりました、内容に於いても不満な点が多いのですが、冊を遂うに従って完全を期したいと思います。

こうした計画でいつも苦しむのは口絵の選定ですが、これは出来るだけ古いものから取るつもりです。現代のものは、余りに多く紹介されすぎていますからその古い分から収めて行く考えで、今後は工美芸術の方面からの材料を収めたいと存じます。

会員組織にいたしましたので、出来るだけ多くの皆様に御入会を願いたいと存じます。部数が増加すれば、勢い内容も増して行くことが出来るからと信じる次第であります。何卒御知友や御知己の方々にも御吹聴御勧誘のほど御願い申上げます。

第1期第2冊「牡丹・芍薬・藤」 昭和11年4月

第一冊『櫻』は匆卒の編輯で、不手際なものでしたが、幸に非常な好評を博しました。引続き第二冊を御手許に御送りすることが出来ました。牡丹、芍薬、藤と三種を一冊にまとめましたので、芍薬が比較的少量になりました。牡丹を十分にする上にはやむを得ぬ次第です。切に御諒恕を願います。

口絵に工芸品を―という要求が、あちこちから参ります。漸次その方のご希望にも添いたいと懸命になっております。同時に印刷の鮮明を期するよう、本文にも口絵にも益々注意を払って行きたいと存じます。

本冊から巻末に出版界の一覧を設けました。本資料が月刊とて、書籍を寄贈され批評紹介を求められる方が多数ありますので、そうした御希望に応じる為であります。ただし雑誌ではありませんし紙数にも限りがありますので、其点御諒恕を願います。

会員名簿をつけてはとの御要求がありましたので、整理のつき次第第三冊からこれを載せることに致しました。

なお本資料表紙の文字は荒木十畝画伯の筆、第一冊のカットは西澤笛畝画伯筆です。前冊に書落としましたので御詫旁々ここに御報告申し上げておきます。

第1期第3冊「燕子花 花菖蒲 卯の花」 昭和11年5月

早いもので三冊目の編輯が出来ました。創刊以来、各方面から非常な賛辞を賜わり、歓迎を受けておりますことは編者の光栄とする処であります。ただしまだまだ採算の取れる部数に達していません、何卒同好御勧誘御入会下さいますよう、切に諸彦の御声援を希う次第であります。

会費振込についていろいろと御問合せがあります。発行所の方では適当な方法を考えておりますが、振替で送って戴くのが一番便利であります。なお集金郵便に托する向もありますので、この方は予め御通知は致しますがお留守でもわかるよう御願いいたします。

内容見本を請求される方が多いので体裁と内容概目一目でわかる印刷物を作りました。御申込次第贈呈いたします。上製を作れ和装にせよ等いろいろの御希望を伺います。これにつきましては発行所に於いても考慮中であります。

御申込は画家と花道家が一番多く鑑賞家も相応にありますのは欣快に堪えません。何卒この上とも御声援を願はしう存じます。

会員名簿を作りたいと存じます。直接御申込の向の外、書店等へ月極御入会御申込の方は、発行所まで御氏名を御通知下さるよう御願い申上げます。

なお第四冊は『竹』の予定でしたが季節の上から別項予告通り柳と躑躅に変更しました。

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