RSS
 

『藝術資料』編集後記 第1期第4-6冊

第1期第4冊「柳 躑躅」 昭和11年6月

『藝術資料』も漸く事業が緒に就いて来ました。偏に会員諸彦の御声援による処感謝に堪えません。しかし採算のとれますまではまだ頗る前途遼遠なので、懸命にやっています。どうか同好御勧誘のほど切に懇願いたします。

新に入会される方々に対し、資料はある部数までは、第一冊から丁重に保存してありますから、御申込のあり次第直ちに取り揃え御送り致します。

本冊の編輯にあたりましては、畏友外狩素心庵氏から一方ならぬ御賛助と御便宜を与えられた為に少なからず編輯が捗りました。ここに厚く御礼申上げます。

又第三冊の内容につき、日本美術院同人長野草風氏から編輯上に対し極めて適切なる御注意を頂きました。今後の編輯上非常なる参考となりました御礼を申上げます。

それから日本南画院の岸浪百艸居氏は十数名の有力な会員を紹介せられ、花道家平光波氏また数名の会員を御紹介くださいましたし、大阪の青木大乗氏は大阪方面の会員を多数御勧誘下さいました。衷心御礼申上げます。なお皆様の切なる御勧誘を御願する次第であります。

会費お振込みに対していろいろと御尋ねがあります。御便宜な方法でお送り願いたいのですが振替でお送り願えれば、一番幸であります。或は集金郵便に托す向もあると思いますが、これには予め御手紙を差上げて置きますが何卒御留守でもおわかりになるよう御願申上げます。(会計)

第1期第5冊「竹」 昭和11年7月

第五冊の『竹』をお手元にお送りする運びとなりました。御覧の通りたとえ少しずつでも内容の充実を図りたいと、内部の犠牲の如きは顧慮に置かず事業を進めて居ります。前冊の如きその為め、口絵紙数超過となった次第であります。

『合本にしては』と御注文がありますので、目下その計画を進めて居ります。即ち、一期を三冊に、四部ずつ一冊に合本するので、合本は福田翠光画伯の意匠になった雲形模様の美しいものです、合本の定価等は、何れ出来の上御報告申上げます、なお会員の合本を希望される向きに対しては実費を以て御希望に応ずることと致しました。

創刊以来各方面の御同情と御後援により、少しずつ会員の数を増しては居りますが、収支の償うまでにはなお前途頗る遼遠であります。同好の入会御勧誘を切にお願い申上げます。

東京画壇の一部には、私の為め藝術資料刊行後援会を組織して下さった向があります。衷心から感謝いたして居ります。なお質疑等は御遠慮なく御送り下さいますようお願いします。

五月中旬から、会費を頂戴に三條致させて居ります。遠隔の地は集金郵便に托しました。何卒営利を度外しての計画でありますから御諒察の上、御不在でもおわかりになりますよう、切にお願申上げます。なお遠隔の地の方に対しましては振替郵便をご利用下さることを切にお願申上げます。(会計)

第1期第6冊「蓮 睡蓮」 昭和11年8月

酷暑の候、会員諸彦倍々御清祥に渉らせられ大慶に存じあげます。さて当資料も、会員各位の非常なる御声援のもとに第六冊蓮の一巻をお手許にお送りする運びになりました。本冊に就きましては、前田青邨山口蓮春氏から文献拝見に一方ならぬ便益を与えられました。此に厚く御礼申上げます。

丁度本冊編輯の最中に、賛助員富田渓仙画伯の訃を耳にし驚愕措く処を知らぬ有様です、第一冊が出来て画伯のお手許に差送りますと、『唯今一冊拝見、誠に興多く拝見、これにて新聞界御引退も有意義であったとお喜び申上げます』と激励の書信を賜わったのでした。今は永遠の記念です。

渓仙画伯の外に、会員で故人となられた方は、洋画家の佐分眞氏あり、福陽美術会の坂内青嵐氏があり、共に創刊以来非常に賛同された方でした。哀悼に堪えません。

会員諸君からいろいろと御注文の御手紙を頂きます。なるべくそれに添うようにと心がけて居ります。目下第八冊編纂中ですし、第七冊も、遠からず印刷が出来る予定であります。(一編者)

会計部からまた申上げます。先般来集金人を差出し会費頂戴に伺わせて居ります。お庇げを以って滞りなく進んで降ります。数が多いので、まだお伺い出来ぬ処もあります。遠からずお伺い致しますから何卒御不在でもおわかりになりますよう御願申上げます。

コメント

[コメント記入欄はこちら]

■ トップ10商品

トップ10商品
23isback | 2020-05-09 22:44 |
名前:
URL:
コメント:
 

ページトップへ