五十殿利治/著 東京大学出版会 ハードカバー 328p 21.6×15.4cm 2008年
状態:カバー縁に軽いよれがあります。そのほかに特に問題はありません。
美術を受容し、愛好する人々=観衆がいかに形成されていったのかを、近代日本の投稿雑誌や美術雑誌に焦点をあてて考察した研究書です。
目次
序章 観衆の研究
第1章 展覧会制度と観衆
1 文部省美術展覧会の開設と観衆
2 美術の一般化と近代観衆の出現 「絵画の約束」論争を中心に
3 明治大正名作美術展覧会をめぐって 近代美術展、近代美術館、近代美術史
第2章 発言する読者 投書と投稿画
4 コマ絵投書と新興美術運動 『文章世界』投稿画を中心に
5 投稿画と同人誌 「銀皿」時代の東郷青児の登場
6 明治末における美意識と「美術」の制度 一九〇九(明治四二)年の『万朝報』の懸賞募集を通して
第3章 美術雑誌と読者ネットワーク
7 美術雑誌読者ネットワークのなかの柳瀬正夢
8 大正期美術雑誌の投書欄について 読者とアマチュア
9 「研究所だより」から 「アマチュア=画家」と美術雑誌読者の世界
第4章 「大衆芸術」時代の観衆
10 新興美術運動と大衆芸術
11 村山知義の『天国地獄』 戦前の日本モダニズムの挫折