辻惟雄先生還暦記念会/編集 ぺりかん社 ハードカバー 915p 22×16cm 1993年
状態:箱の縁に軽いかすれがあります。本体に特に問題はありません。
日本美術史学に大きな業績を残した辻惟雄東京大学名誉教授の還暦を記念して機影の日本・東洋美術氏研究者33人が編纂した美術史研究の遍路を示す一大論集―帯より―
目次
第1部 日本美術の視点
銀と追憶「源氏物語絵巻」から「夏秋草図屏風」を結ぶもの(玉蟲敏子)
元禄美術における文字遊び 英一蝶の見立て絵を中心に(クリスティン・グーテ)
秋田蘭画を読む 小田野直武筆「不忍池図」をめぐって(内山淳一)
外光表現の遊戯性 江戸の洋風趣向(山口泰弘)
見世物としての絵画(安村敏信)
近代史学としての美術史学の成立と展開(佐藤道信)
第2部 宗教と造形
釈迦誕生モティーフにおける中国的変容の指標を求めて 灌水場面の雲に着目して(漆紅)
与願印の絵画化における短縮法の問題(矢島新)
法隆寺金堂旧壁画「伝山中羅漢図」について(須藤弘敏)
図像の力 黄不動尊の造形的環境(泉武夫)
空海と東寺講堂の諸像(サミュエル・C・モース)
延暦寺維摩居士像試考(奥建夫)
中尊寺金色堂壇上諸仏の移動問題について(岩佐光晴)
第3部 和と漢 1
「元暁絵」に明恵像を見る(カレン・L・ブロック)
祭礼草紙考(泉万里)
ヴァージニア美術館所蔵中世やまと絵系扇面画の紹介(加藤悦子)
雪舟筆「慧可断臂図」をめぐって(内山かおる)
秋月と宗淵(影山純夫)
狩野雅楽助についての新提案 伝狩野雅楽助筆「花鳥図」屏風をめぐって(松木寛)
「唐獅子図屏風」をめぐる考察 その主題と制作背景について(石田佳也)
第4部 作家と意匠
春信錦絵の代作者に関する一考察(ヒロコ・ジョンソン)
上方役者絵『翠釜亭戯画譜』の作者について(吉田俊英)
鏡のなかの女たち 歌麿美人画の一手法について(大久保純一)
藤田嗣治の1930年代 裸婦と戦争画をつなぐもの(林洋子)
MOA美術館蔵「山水蒔絵手箱」の主題について 蒔絵に描かれた中世の宇治(日高薫)
江戸時代五十嵐様式の蒔絵 秋草文様を追って(本谷文雄)
小袖雛杉本研究序章 近世の流行における出版の役割を中心に(丸山伸彦)
第5部 和と漢 2
日本扇絵の宋元明への流入(王勇)
瀟湘八景源流初探(張景翔)
平泉の寺院と五台山の思想(ミミ・イェンプルクサワン)
夏珪と室町水墨画(山下裕二)
顔輝筆「蝦蟆鉄拐図」とその日本における展開(藤田伸也)
江戸時代における煎茶美術と中国文人趣味(パトリシア・J・グラハム)